英国・コッツウォルズより、こんにちは?
こちらは、ヴィクトリア時代初期に作られた、ティーキャディです。
『ティーキャディ』というのは、紅茶を入れる箱のことを指す言葉です。
現在では、紅茶は、缶入りで売られていたりしますので、缶に入れたまま保管されている方が多いかしら。
紅茶が英国に輸入されるようになり、とても貴重だった紅茶をしまうために作られた箱には、鍵が付いています。
英国のアンティーク屋さんを巡っていますと、驚くほどにたくさんのティーキャディを見つけることが出来るんですよ。
ただし・・・・『見つけた〜〜!』と思って、箱を開けてみると、中は、ただの箱・・・仕切りなどはなくなってしまったりしているものをたくさん見かけます。
本来は、このように、中に仕切りがあり、蓋まで付いています。
実は、よく見かけるようでいて、よい状態のものは見つけるのは、難しいです。
でも、今でもよく見かけるくらいたくさんのティーキャディが存在したということ、
・・・ということは、それだけたくさんの家庭で紅茶が飲まれていた歴史を語っています。
蓋を開けると、中は、ティン=ブリキが貼り付けられています。
写真の中は、きれいに銀のフォイルが貼り付けられています。
これは、最近になって修復が施されているものです。
ティーキャディは、飾っているだけでなく、実際に毎日のように使用されてきたものなので、
傷みが激しかったり、壊れていたり、それから、時代の流行に合わせて、装飾がつけられたり・・・とさまざまな手が加えられていることも多々あります。
オリジナルでとてもきれいに残っているものも、たまに見かけます。それは、とても貴重な存在ですね。
美術館のガラスキャビネットに入るべき品かもしれません。
そうでなく、修復がされている場合は、その修復のやり方の質を問われます。
オリジナルのよい状態を残しつつ、きれいに修復しているもの・・・がベストですね。
中の布も、こちらの写真のものは張り替えられているのですが、とてもきれいに丁寧に張り替えていて、これから紅茶を入れて保存してもよい状態になっています。
さまざまなティーキャディを見てきていますが、本当に、雑に修復されているものも見つけることがあります。
今は忙しくて、なかなか、修復・・・なんてする時間はありませんが、もしも、時間が出来たなら、
修復作業、とても興味があります。
アンティークの品物を蘇らせる作業です。
とても魅力的なお仕事ですよね。
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